欧州セグメントとは
ヨーロッパの自動車を見ていると、「セグメント」という用語によく出くわします。
この「セグメント」というのはいったいなんでしょう?
欧州のクルマだけではなく、日本のクルマにもあてはまるものなのでしょうか?
「セグメント」とは、クルマをサイズによってクラス分けする方法をいいます。
欧州には未だに社会的な階級が色濃く残っており、それがクルマにも反映されているのです。
元々は、ヨーロッパの調査会社(グローバルサインサイト社とマーケティングシステム社)がマーケティングのために使っていたものでした。
ちなみに、グローバルインサイト社のセグメントは、車両寸法、全長、価格、イメージ、装備など複数要件を勘案した分類となっている一方で、マーケティングシステムズ社のセグメントは、単純に全長を基準とした分類となっています。
さらに、1993年3月17日には、欧州委員会から新たなセグメントが公表されました。
ここでは、車両サイズだけではなく、全長、価格、イメージ、装備など複数要件を勘案したAからFまでの6分類に加え、ボディースタイルによる独立区分として、Sセグメント(スポーツ・クーペ)、Mセグメント(マルチパーパスカー)、Jセグメント(SUV)の3分類、合計9分類となるセグメントとなっています。
この欧州車セグメントを理解していると、クルマの評価や競合との比較を適切に行うことができ、非常に有益なのでぜひこの機会に覚えておきましょう(欧州委員会のセグメントは全長を公表していないので、全長はマーケティングシステム社のもの)!
セグメント | クルマの種類 | 全長 |
Aセグメント | ミニカー | ~3500mm |
Bセグメント | スモールカー | 3500mm~3850mm |
Cセグメント | ミディアムカー | 3850mm~4300mm |
Dセグメント | ラージカー | 4300mm~4650mm |
Eセグメント | エグゼクティブカー | 4650mm~4900mm |
Fセグメント | ラグジュアリーカー | 4900mm~ |
Sセグメント | スポーツクーペ | – |
Mセグメント | マルチパーパスカー | – |
Jセグメント | SUV | – |
各セグメントの車種
それでは具体的にどういった車種が各セグメントにあてはまるのか見てみましょう。
Aセグメント
Aセグメントはミニカー。
日常の足となるミニマムカーです。
ちょっとした市街地の移動に適したクルマで、エンジンの排気量は1L前後。パワーも最小限です。
主に2名乗りで、大人が4人乗るのはちょっときつそう。
代表となる車種はフィアットの500や、
フォルクスワーゲンのup!などです。
国産では、軽自動車全般、トヨタのiQ、三菱のミラージュなどが該当します。
Bセグメント
Bセグメントはスモールカー。
ここは日常使いに優れた小型車が揃う激戦区です。
大人がきっちり4人乗れて、荷物もそれなりに積める。
もともとヨーロッパでは小気味良い洒落た小型車が多かったのですが、メルセデスやBMWといった本来高級車メーカーであったところも、次々と優れた小型車を送り出しています。
Cセグメントが大型化していることに伴い、ユーザーも上級車からの乗り換えが年々増えているため競争が激化しているのが現状です。
フォルスクスワーゲン ポロ
プジョー 208
ルノー ルーテシア
シトロエン C3
メルセデス・ベンツ Aクラス
アウディ A1
BMW ミニ
日本でも、トヨタ・ヴィッツや、ホンダ・フィット、マツダ・デミオなど激戦区なのは同じです。
Cセグメント
Cセグメントはミディアムカー。いわゆる実用クルマのベースとなるクラスです。
各メーカーがFFハッチバックの主力車種を打ち出してくる、こちらも激戦区。
最近は大型化が進んでいて、ほとんどのクルマが、全長で4.3m、全幅で1.7m以上になっています。
このクラスでは、なんといっても「世界標準車」として圧倒的に評価が高いフォルクスワーゲン・ゴルフがいます。とにかく40年もの長きにわたって、世界中のクルマが「ゴルフに対してどうなのか」というベンチマークとなっているクルマです。
プジョー 308
ルノー メガーヌ
シトロエン C4
アルファ・ロメオ ジュリエッタ
アウディ A3
クラス唯一のFR車といってよい、BMW 1シリーズ
ボルボ V40
トヨタのカローラ、ニッサンのノート、マツダのアクセラといったところでしょうか。
とりあえず、AからCまでの欧州セグメントでしたー。
次回はDセグメント以降について書きたいと思います。
メルセデスのAクラスはCセグメント。
ご指摘通りですね!ありがとうございます。
ニッサンのノートはBセグ。
カローラは微妙なところ。
トヨタのCセグならオーリス。