【生態系の頂点】鷲や鷹などの猛禽類がかっこよすぎる【オーラやばい】

 

生態系の頂点にいる猛禽類

日本において、生態系の一つの頂点に君臨するのが、鷲や鷹などの猛禽類です。

猛禽類は、他の動物を捕食する習性のある鳥類の総称をいい、獲物を捕まえるための鋭い爪、掴む力が強い趾、鉤型に曲がった嘴を持つことが共通の特徴です。

イヌワシ

その強さ、気高さは、古来より人々の敬意とあこがれを集めており、イーグルス、ホークスといったようなスポーツチームの名前や、戦闘機、バイク、クルマの名前としてもよく用いられます。

世界最強の戦闘機、F-22ラプター

現在世界最強の戦闘機である、F-22の通称は「ラプター」ですが、まさに猛禽類という意味ですね。

F22フレア

そしてラプターより前の世代で最強戦闘機の名を縦にしたのは、F-15イーグルでした。

F-15

戦国武将たちは、鷹の威厳あるその姿に魅せられ、タカを飼い慣らし、鷹狩に興じました。
この文化は今にも伝わっています。

鷹匠

鷲と鷹の違い

では、鷲と鷹とでは何が違うのでしょうか。

元来、といっても、リンネ以前の17-18世紀には、鷲と鷹とを別々の類として区分けしていきましたが、形態的解剖学的研究が進むと、これらの外見上の類似は表面的なものであることが明らかとなり、狩りという習性に基づく収斂進化の結果とみなされるようになりました。
この結果、ワシタカ類とフクロウ類はタカ目とフクロウ目とに分けられた。また、ワシタカ類は体の構造ではフクロウ類よりもむしろコウノトリ類に近い構造をもつことが分かったのです。

というわけで、鷲と鷹とでは、生物分類学的に違いがないということになりました。
したがって、両者の区分はあくまでそれまでの呼称の慣習に基づくものであり、ワシ(鷲)とはタカ目タカ科に属する鳥のうち、オジロワシ、イヌワシ、ハクトウワシなど、比較的大き目のものを指す通称となり、タカ(鷹)とは、タカ目タカ科に属する鳥のうち、オオタカ、ハイタカ、クマタカなど比較的小さ目のものを指す通称ということになっています。ハヤブサ(隼)は、オオタカとほぼ同サイズの中型の猛禽類です。

より具体的には以下のとおりです。

タカ目タカ科、全長が80-90cmほどの大型のものを総称して「ワシ」と呼んでいます。
嘴と爪は、獲物を捕らえるのに都合よい形に鋭く曲がり主にリスや野ウサギといった鳥獣を捕らえて食します。
自分よりも大きな獲物にも果敢に挑み、捕食したりまします。

同じくタカ目タカ科で、「ワシ」よりもひとまわり小さく全長が50-60cmほどの小型のものを総称して「タカ」と呼んでいます。
口ばしが曲がり、脚にある大きな爪が特徴で、主に野ネズミなど小型の鳥獣を捕らえて食します。

ただし、あくまでこの区分けは慣習に基づくものなので、多くの例外があります。例えば、クマタカという鷹とカンムリワシという鷲はクマタカの方が大きい、といった具合です。

タカ目(旧名ワシタカ目)は、「コンドル科」と「タカ亜目」に分かれ、さらにタカ亜目は、「ヘビクイワシ科」と「タカ上科」に分かれます。
タカ上科は、「ミサゴ科」と「タカ科」に分かれます。
タカ科はさらに細かく亜科に分かれます。下記は、通称としての「類」と、対応する「亜科」を示したものです。

  • トビ類 Kites(トビ亜科 Milvinae、ハチクマ亜科 Perninae、ハイイロトビ亜科 Elaninae)
  • チュウヒダカ類 Harrier hawks(チュウヒ亜科 Circinae 、チュウヒダカ亜科 Polyboroidinae)
  • ハゲワシ類 Old World vultures(ハゲワシ亜科 Aegypiinae、ヒゲワシ亜科 Gypaetinae)
  • ヘビワシ類 Snake eagles(チュウヒワシ亜科 Circaetinae)
  • オウギワシ類 Harpy eagles(オウギワシ亜科 Harpiinae)
  • クマタカ類 Booted eagles(イヌワシ亜科 Aquilinae)
  • ウタオオタカ類 Chanting goshawks(ウタオオタカ亜科 Melieraxinae)
  • ハイタカ類 Sparrowhawks(ハイタカ亜科 Accipitrinae)
  • ウミワシ類 Sea eagles(ウミワシ亜科 Haliaeetinae)
  • チュウヒ類 Harriers(チュウヒ亜科 Circinae)
  • ノスリ類 Hawks, buzzards(ノスリ亜科 Buteoninae)

日本における主な猛禽類

それでは日本で見ることのできる主な猛禽類を並べてみましょう。
タカ科に加えて、ミサゴ科、ハヤブサ科の猛禽類も加えて、大きい順に並べてみます。

オオワシ

オオワシ

全長:95cm
翼開長:220-245cm
タカ科オジロワシ属。
堂々たる体格は、日本で最大の猛禽類であり、王者の風格を備えています。

オジロワシ

オジロワシ

全長:89cm
翼開長:170-230cm
タカ科オジロワシ属。
オオワシと同じ仲間です。日本では最も大きな猛禽類の一つです。

イヌワシ

イヌワシ4

全長:81-89cm
翼開長:170-210cm
タカ科イヌワシ属。
和名のイヌは「劣っている、下級の」の意で、クマタカなどにくらべ本種の尾羽が矢羽としての価値が低かった事に由来するそうです。
もっとも大きさでほぼ強さが決まるので、もしイヌワシとクマタカが戦ったら、イヌワシが勝つと思います。

クマタカ

クマタカ

全長:72-80cm
翼開長:140-165cm
タカ科クマタカ属
漢字では、「角鷹」と「熊鷹」と2通りの表記があり、どちらも正しいとされています。
林生態系の頂点に位置しているたため、「森の王者」とも呼ばれます。

トビ

トビ

全長:58-68cm
翼開長:150-160cm
タカ科トビ属。
最も身近な猛禽類です。そのせいでことわざなどに引用されることもしばしばで、油揚げをさらったり、鷹を産んだりします。

サシバ

サシバ

全長:58-68cm
翼開長:150-160cm
タカ科サシバ属。
渡り鳥なのですが、「サシバの渡り」は有名で、渥美半島の伊良湖岬や鹿児島県の佐多岬ではサシバの大規模な渡りを見ることができます。

ミサゴ

ミサゴ

全長:57cm
翼開長:145-175cm
ミサゴ科ミサゴ属。
和名の由来は様々な説があり水を探るが転じたとする説や、獲物を捕らえる時の水音が由来とする説(西日本では水面に突入する音から、本種のことを「ビシャ」、または「ビシャゴ」と呼んでいる地域があります)等があります。

カンムリワシ

カンムリワシ

全長:55cm
翼開長:123-155cm
タカ科カンムリワシ属。
沖縄県石垣島出身の元プロボクサー・具志堅用高の異名でもあります。

ハチクマ

ハチクマ

全長:57-61cm
翼開長:120-135cm
タカ科ハチクマ属。
クマタカに似ていますが、ハチを主食とする珍しい種類です。
食性は動物食で、夏と冬にはスズメバチやアシナガバチを食べます。ハチが出入りする場所などから見つけ出し、同じ大きさの猛禽類よりも大きい足で巣の真上から掘り起こし、捕食してしまいます。
ハチクマの攻撃を受けたスズメバチは、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑うので滑稽です。毒針で攻撃してきても、非常に硬い羽毛で無効化してしまうため、まったく問題にしません。

ノスリ

ノスリ

全長:55cm
翼開長:122-137cm
タカ科ノスリ属。
鷹と似ているものの鷹狩に使えない為、役に立たない鷹として、奈良時代には「くそとび」と呼ばれていたそうです。

オオタカ

オオタカ

全長:50-56cm
翼開長:105-130cm
タカ科ハイタカ属。
日本における代表的な鷹で、昔からタカといえば、オオタカを指します。

チュウヒ

チュウヒ

全長:48-58cm
翼開長:113-137cm
タカ科チュウヒ属。
本種の名前は「宙飛」が由来とされているが、実際は低空飛行を得意とし、一方「野擦」が由来とされているノスリはチュウヒよりも高空を飛翔することが多いため、この両者は名前が入れ替わって記録されているという説があります。

ハヤブサ

ハヤブサ

全長:42-50cm
翼開長:80-120cm
ハヤブサ科ハヤブサ属。
急降下時の速度は、時速390kmにも達するそうです。

ハイタカ

ハイタカ

全長:32-39cm
翼開長:101-115cm
タカ科ハイタカ属。
「疾き鷹」が語源であり、それが転じて「ハイタカ」となったそうです。

チョウゲンボウ

チョウゲンボウ

全長:30-33cm
翼開長:65-82cm
ハヤブサ科ハヤブサ属。
語源は不明だが、蜻蛉の方言の一つである「ゲンザンボー」が由来ではないかという説があり、チョウゲンボウが滑空している姿は、下から見ると蜻蛉が飛んでいる姿を彷彿とさせることがあると言われそれゆえ、「鳥ゲンザンボー」と呼ばれるようになり、いつしかそれが「チョウゲンボウ」という呼称になったと言われています。

ツミ

ツミ

全長:27-30cm
翼開長:52-62cm
タカ科ハイタカ属。
漢字表記の雀は「小さい」の意で、和名はスズメタカが変化したメスに対しての呼称に由来します。

猛禽類最強すぎる

最後に猛禽類がどれだけ強いか、いくつか動画をご紹介。

まず、手始めにヘビを襲います。

 

さらに、犬を襲います。

 

な、な、なんと!熊ですら襲ってしまいます。すごい!!

 

最後に、狼を襲って食ってしまうという衝撃的な動画。
猛禽類は本当に恐ろしい。。。

 

以上、猛禽類のご紹介でした。
次回は、外国にいるさらに強い種類をご紹介できればと思っています。

 


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5 Responses

  1. 匿名 より:

    はやぶさはインコの仲間ですよ

    • フリードリヒ より:

      最近、日本鳥学会が鳥類のDNA研究を進めたところ、ハヤブサをこれまで猛禽類としてきましたが、実は「インコ、スズメの仲間」だと変更したそうですね!
      知りませんでした!コメントありがとうございます!

  2. 悟空ブラックスーパーサイヤジンロゼ より:

    いろいろな鷹の種類が、あることが、分かりました。ありがとうございました。

  3. 小形心暖 より:

    わしかっこいい

  4. かわまた より:

    つい先日、我が家の庭に初めて猛禽類が来て種類が判らず調べていてこちらに辿り着きました。画像を貼っていたら「茶色いからハイタカの雌では?」と教えてくれた方がいたのですがなかなか判らず、諦めかけていたところだったのですがこちらの画像で模様なども確認できました。ありがとうございますm(__)m

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