【安産祈願】水天宮の秘密【戌の日】

 

安産祈願といえば

妊娠した女性やそのご夫婦は、水天宮にお参りするかたが非常に多いかと思います。
犬は多産でお産が軽いことから、戌の日にお参りする習わしがありますね。
東京近辺の方は、日本橋蛎殻町にある水天宮に行かれる方が多いですよね。

水天宮1

しかし、水天宮とはいったいどのような神社でどんな神様をお祭りしているのでしょうか。
ちょっと気になったので調べてみました。

東京日本橋の水天宮は、もともとは福岡県久留米の水天宮から分霊勧請したものだそうです。
久留米の水天宮は、それこそ全国に偏在する水天宮の総本社です。

久留米水天宮

水天宮の歴史

久留米の水天宮は、社伝によれば、寿永4年(1185年)、高倉平中宮に仕え壇ノ浦の戦いで生き延びた按察使の局伊勢が千歳川(現 筑後川)のほとりの鷺野ヶ原に逃れて来て、建久年間(1190年 – 1199年)に安徳天皇と平家一門の霊を祀る祠を建てたのに始まるそうです。
伊勢は剃髪して名を千代と改め、里々に請われて加持祈祷を行ったことから、当初は尼御前神社と呼ばれていました。

ですので、水天宮の御祭神には、天御中主神と併せて、安徳天皇、高倉平中宮(建礼門院徳子、平清盛の娘にして安徳天皇の母親)、二位の尼(平時子、平清盛の妻にして安徳天皇の祖母)が祀られているのです。

さらに、中納言平知盛の孫の平右忠が肥後国から千代を訪れ、千代の養子となりました。
この平右忠の子孫が、現在まで続く社家・真木家となります。

また、幕末の志士として知られる真木保臣(真木和泉守)は第22代宮司でした。

真木和泉守

真紀和泉は、弘化年間(1844-1847年)に会沢正志斎の弟子となって水戸学を学び、禁門の変に参加して敗走した後、爆死自害しています。
幕末の尊王思想のパイオニアにして、その後の湊川神社や招魂社(後の靖国神社)の思想的バックボーンにもなった重要人物です。

さて、その久留米水天宮ですが、久留米藩歴代藩主である有馬家により崇敬されていましたが、久留米藩第9代藩主頼徳は、文政元年(1818年)に江戸・三田の久留米藩江戸上屋敷に久留米藩江戸屋敷に分霊を勧請しました。これが江戸水天宮の始まりです。

藩邸内にあったため一般人の参拝が難しかったのですが、江戸でも信仰者の多い水天宮への一般参拝の許可を求める伺書を幕府へ提出し、毎月5の日に一般開放されるようになりました。
その人気ぶりは「情け有馬の水天宮」と呼ばれ、拝観料を徴収することによって久留米藩の財政を潤すまでになったそうです。
明治4年(1871年)、有馬家屋敷の移転とともに赤坂に遷座し、翌明治5年(1872年)、有馬家中屋敷のあった現在の日本橋蛎殻町二丁目に移転し、現在に至るというわけです。

なぜ水天宮が安産祈願の神社となったのか

それでは、なぜ天御中主大神や平家の人々を祀った神社が、安産祈願の社となったのでしょうか。

そもそも、仏教の神(天部)である「水天」の信仰は、神仏習合時代には「水」の字つながりで「天之水分神・国之水分神」(あめのみくまりのかみ・くにのみくまりのかみ)と習合していました。

そしてミクマリノカミは本来は子供とは関係なかったのですが、「みくまり」の発音が「みこもり」(御子守り)に通じるというので「子育て」の神、子供の守り神として信仰されるようになったと言われています。
そしていつの間にか子授かり、安産というように発展してきました。

ちなみに、もともとはという最高神であり、ゾロアスター教ではこの神をアフラマズダとして称えています。
とにかく非常にえらーい神様なわけです。

ちなみに、「水天」は仏教に取り入れられる前は、もともとはインド=イランの古いアスラ族のヴァルナ神でした。
諸ヴェーダにおいて、ヴァルナは重要な位置に置かれ、天空神・司法神(=契約と正義の神)・水神などの属性をもたされています。
ヴァルナは西方ではアフラマズダとなりゾロアスター教の最高神となったのですが、東方ではブラフマン(梵天)に始源神としての地位を奪われてしまい、さらに後には死者を裁くヤマ神に司法神としての地位を奪われ、水神としての属性のみが残ります。ちょっとかわいそう。

ヴァルナ

仏教に取り入れられた頃は、仏教における十二天の一つ、西方を守護する「水天」となりました。

そして、神仏分離以後は、ヴァルナ神は記紀神話でいえば天御中主神 (あめのみなかぬしのかみ) にあたると解釈されていたので、水天→天御中主神となりました。
天御中主神は、『古事記』では、天地開闢の際に高天原に最初に出現した神であるとしています。
その後高御産巣日神、神産巣日神よりも先に現れた神なんですね。
これらの三柱の神を造化三神といいます。

高御産巣日神、神産巣日神 については下記もあわせて御覧ください。

天照大御神は皇祖神なのか

天御中主神はここに出てくる御巫八神の高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、神産巣日神(かみむすびのかみ)よりも前に現れた天地創造神なのです。

 

というわけで、水天宮に祀られている神様は、とてもえらい神様だということでした。

 


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