レスポールとは何か
レスポール(Les Paul)は、1952年にアメリカのギブソン社が同社初のソリッドギターとして発売したギターです。
その名のとおり、電子技術者でもありギタリストでもあったレス・ポール(1915〜2009)によって開発されました。
(レス・ポールとメアリー・フォード)
ギターは、もともとボディの空洞(ホロウ)で音量を増幅させる弦楽器でした。
その後、ギターはサキソフォンなどの管楽器に負けない音量を出すため、ホロウボディにピックアップ(ギターの弦の音を拾うマイク)を取り付けたエレクトリックギターへと進化します。
ただ、このホロウボディにピックアップを取り付けたタイプのエレクトリックギターは、ボディの空洞のためハウリングを起こしやすいという欠点がありました。
そこで、開発されたのがボディに空洞がないソリッドギターでした。
レスポールは、ハムバッカーと呼ばれる2つのマイクがワンセットになったピックアップがボディの前の方と後ろの方に1つずつついているところに特徴があります。2つのマイクがワンセットとなっているため、独特の太く甘く切ないサウンドが出ます。そして、前と後ろのピックアップのどちらを使うか、その両方を使うかを選択することなどによって様々なサウンドが生まれます。
そんな夢の楽器レスポールが使われた名演5選です。
Led Zeppelin – Since I’ve Been Loving You Live
そんな夢の楽器レスポールですが、発売当初から爆発的人気を博したわけではありませんでした。
レスポールを爆発させたのは、なんといってもこの人、ジミー・ペイジです。
ギターを腰下に構えるスタイル。
ジミー・ペイジは、独自のサーキット(回路)によってサウンドの組み合わせをさらに進化させ、異次元へと誘いました。
Guns N’ Roses – Sweet Child O’ Mine
88年代最強バンドガンズアンドローゼズのギタリスト、スラッシュ。
中でもこの88年のホテルリッツでのライブはガンズアンドローゼズ史上最高のライブと讃えられています。
Ozzy Osbourne -Crazy Train
https://www.youtube.com/watch?v=cOL4GNzP4nU
しかし、その前に忘れてはいけないのが、ランディー・ローズ。
この象牙色のレスポールは、いつまでたっても胸に焼きついています。
Ozzy Osbourne – Bark At The Moon
https://www.youtube.com/watch?v=1CUNLBEwA64
そして、オジーといえばこの人。ザック・ワイルド。
ややこしいのですが、このバーク・アット・ザムーンという曲は、もともとランディー・ロースの後を継いでオジー・オズボーンバンドに参加したジェイク・E・リーがギブソン社のライバル、フェンダー社のストラトキャスターを模したギターで弾いた曲でした。
その曲をジェイクの後任ザック・ワイルドがレスポールで弾くとこうなる、というわけです。
見所は、なんといっても、メタリカ参加直前のベーシストであるロバート・トゥルジロとザック・ワイルドの唸る上腕三頭筋の競演です。
Gary Moore – Still Got the Blues
https://www.youtube.com/watch?v=w_8jvspBpdk
「レスポールは顔で弾け。」そんな格言を体現しているのがこの人。ゲイリー・ムーア。
やはり、アイルランド人とブルーズは奇妙な親和性があります。
このバンドがすごいのは、全員が完全に顔で演奏しているところ。
Les Paul & Mary Ford – How High The Moon
そして,最後はやはりこの人。レス・ポール。
レスポールを発明しただけあって、その特徴を完璧に知っている。
特にすごいのが、ピックを弦に当てる位置を変えることによってサウンドをコントロールしているところ。
また、この動画だけではわかりにくいのですが、この人は同じ音程の音を弾くにしても、どの弦を弾くかをよくよく選んで音の太さを変えています。
皆さんは,交通事故に遭って複雑骨折し、利き手の角度を一生固定しなくてはならなくなったら、どうしますか?
この人は,ギターを弾く角度に固定しました。