呪われし生物 ヘビ
我々人類は、遺伝子レベルにおいて爬虫類、ことにヘビ科の動物をおそれるように刻み込まれているという説があります。
我々の先祖である初期の哺乳類が恐竜に追われたことに起因するのだとか、さらにはその恐怖が、聖書の創世記において、ヘビをして、人間を堕落せしめる悪しき呪われし生き物にしたのだとか。
ことの真偽はともかく、ヘビを嫌う人が多いのは確かです。
ただでさえヘビを嫌う人にとっては、大きなヘビなど見ただけで失神してしまうかもしれませんが、それでは最も大きなヘビとはいったい何でしょうか。
ニシキヘビ
ニシキヘビ属(Python)は、爬虫綱有鱗目ニシキヘビ科(ボア科ニシキヘビ亜科とする説もあり)に属し、生息地は、アフリカ大陸、ユーラシア大陸南部、インドネシア、スリランカです。
ニシキヘビ属の最大種であるアミメニシキヘビは最大全長990cmという記録があり、ニシキヘビ科、ヘビ亜目のみならず現生する爬虫類最長種と言われています。明らかに世界最大のヘビの有力候補といえるでしょう。
見てください。これがアミメニシキヘビです。
大型個体ではヒョウやヒトの捕食例もある。
口と牙で獲物に噛み付いた後、長い身体で巻き付き、窒息するまでゆっくり締め上げて殺してしまうそうで、大型個体では、ヒョウやヒト、ワニなども捕食した例があるそうです。
これはワニを捕食する動画です。
アナコンダ
他方で、もうひとつの最右翼候補がアナコンダです。
アナコンダ (Eunectes) は、ボア科アナコンダ属に属するヘビの総称で、その中でもオオアナコンダは、全長400-600 cm、最大は900cmにも達する大蛇で、アミメニシキヘビに匹敵する大きさです。
しかし、こちらはアミメニシキヘビと比べて体重が重く、500cm以上の個体では100kgを超えることも珍しくありません。
https://www.youtube.com/watch?v=9lS7Ddhu7io
また、ニシキヘビが卵生なのに対し、アナコンダは卵胎生(卵を体内で孵化させてから生む)です。
世界最大のヘビはどっちか
いったいどちらが大きいのか。
一般的な図鑑では、アミメニシキヘビが10m近いものが有るということで、世界最長のヘビとされていますが、両方とも記録だけだと11mはおろか、12m、はては14mの記録があるなど、どちらがより長い個体がいるのか議論はつきません。
一方で体重に視点を移してみると、一般的にアナコンダはニシキヘビより太く、同じくらいの大きさだと圧倒的にアナコンダが重くなるようです。
具体的には、10mのアミメニシキヘビであればおおよその体重が100kg程度ですが、同じサイズのオオアナコンダだと250kgを超えるそうです。
したがって、何をもって最大とするかという議論はあるものの、少なくとも重さで言えば圧倒的にオオアナコンダの勝ちといってよいでしょう。
よって暫定的ではあるものの、世界最大のヘビはオオアナコンダということになるかと思います。
しかし、アナコンダがヒトを食った例はこれまでにあまりなく、人喰いヘビと言われるのはだいたいニシキヘビの方だそうです。
人間にとっては、アミメニシキヘビの方がはるかに危険な生物だといえるでしょう。
顔もアナコンダのほうが若干間抜けな顔をしています。
いずれもしめつける力は750kgとかあるそうで、捕まったら逃げることはほぼ不可能でしょう。
彼らは噛まずに獲物を丸呑みします。
(おまけ)コルトのリボルバー
コルト社はアメリカを代表する拳銃メーカーですが、20世紀に入りリボルバーのメカニズムはほぼ頭打ちになり、デザイン性においてコルト社はライバルのS&W社に遅れをとっていました。そんな中、老舗の名誉にかけて当時から名銃の誉れ高かったコルト SAAの設計思想を元に、1955年、当時最強と言われた.357マグナム弾が発射可能なリボルバー銃として、コルト・パイソンという銃を打ち出しました。
初めに6インチ、次に2.5インチと4インチの銃身を持つものが発売され、後に8インチの「パイソンハンター」も作られています。
ライバルメーカーのS&W社などの製品と比較すると高価格となっており、1970年代半ばの値段だと同社のコルト・ディテクティブスペシャルのおよそ倍だったとされ、「リボルバーのロールス・ロイス」とも呼ばれ、高く評価されています。
コルト・パイソンは、『CITY HUNTER』の主人公、冴羽獠が使用することで非常に有名ですね。
さらにコルトは、1990年により強力な.44マグナム弾を撃てるリボルバーを発売しています。
それがコルト・アナコンダです。
このようにアナコンダは、パイソンよりもより強力な弾丸を撃つことができるということからすると、コルト社もアナコンダ>パイソンと考えていた・・・ということでしょうか?