戦闘機と攻撃機の役割について
かつては、その役割によって細かく軍用機を分けている時代がありました。
戦闘機と攻撃機の役割は大きくいって以下のとおり
- 戦闘機=敵機への攻撃と味方機の護衛を主任務とする
- 攻撃機=地上部隊や艦船への攻撃を主任務とする
つまり、ざっくり言っちゃうと、攻撃機は敵の陣地へ攻めていって相手の兵隊とか基地とか施設を破壊するのに対し、戦闘機はその攻撃機を守ったり、攻めてきた戦闘機や攻撃機・爆撃機を墜とすのがお仕事っていうことです。
戦闘機の例
F-16 ファイティング・ファルコン(アメリカ)
Mig-29 ファルクラム(ソ連)
攻撃機の例
A-10サンダーボルト(アメリカ)
AV-8B ハリアーII(イギリス)
制空戦闘機と要撃戦闘機
そして細かく分けると戦闘機の中にも、次のように役割の違いがあります。
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この場合、要撃戦闘機は対戦相手が、戦闘能力の低い(けど攻撃力は高い)攻撃機や爆撃機ですが、制空戦闘機は相手も戦闘機です。
なので、一般的には制空戦闘機と要撃戦闘機が戦ったら、制空戦闘機のほうが強いといっていいでしょう。
キツネやウサギを相手にする猟犬と、犬を相手にする闘犬でケンカしたら闘犬が強いということです。
あくまで役割の違いであって、どっちが優れているとかそういうはなしではないですが。
映画『トップガン』でお馴染みのF14トムキャットは長距離射程のAIMフェニックスミサイルを持っていたりして、どちらかというと遠距離戦闘を得意とする要撃戦闘機ですが、
長らく世界最強と言われ続けたF-15イーグルは、運動性能に優れたドッグファイト向けの制空戦闘機です。
もっとも両者の違いはあいまいで、イーグルに対地攻撃能力のあるストライクイーグルがあったり、同様にトムキャットにも攻撃機化したボムキャットがあります。
マルチロール化
そして何より、防衛費が青天井だった冷戦期とは異なり、コスト意識が高まった近年では、役割ごとに機体に種類を設けるよりも、ひとつの機体とそのバリエーションですべての機能を果たせるようマルチロール化が進んでいます。
これにより、戦闘機と攻撃機の境目はあいまいとなり、両方の機能を兼ね備える機体が次々と登場しています。
写真はアメリカのマルチロールファイター(多用途戦闘機)、F-35A ライトニングです。日本にも配備される予定。
こちらはF/A18ホーネットを改造したスーパーホーネット
(出典:http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000246020/SortID=16092949/ImageID=1565264/)
そして欧州で共同開発されたユーロファイタータイフーン。こちらもマルチロール機です。
今後は戦闘機、攻撃機という区分はなくなっていくことでしょう。
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[…] を有しています。 戦闘機と攻撃機の違い […]